2024年04月26日お知らせ
「感染症と環境問題」について講義を受けました。
本校が取り組んでいるWWL(ワールド・ワイド・ラーニング)事業では、大学や他の高校、企業と連携し、深い学びを実践しています。
4月23日(火)には、国際教養科1年生80名が、「グローバル探究」の授業の中で、京都大学名誉教授の湯本貴和先生から「環境問題と感染症を考える」というテーマで講義を受けました。
今私たちが暮らしている時代は、地球の歴史の観点からは「アントロポセン(人新世)」と呼ばれる新たな地質時代で、後世になって地質を発掘すると、プラスチックやコンクリートが大量に出てくる時代であるというお話から始まりました。
また、感染症が広がる過程について、「自然宿主」というキーワードをもとに説明して頂きました。病原体にとって都合がよいのは「長期間」かつ「広範囲」にウイルスが広がることであり、エボラ出血熱のような強い毒を持ったウイルスよりも、コロナウイルスのような、無症状もあるという弱毒性のウイルスの方が、ウイルスが生き延びることができるという利点があり、やがてコロナウイルスも弱毒化した状態で人間と共存する(自然宿主)症状が軽い病気になるそうです。
生徒たちが「グローバル探究」の中で学んでいるSDGsについてもお話頂き、「SDGsウォッシュ」(見せかけの環境主義)に気をつけなければならないことや、SDGsの目標同士のシナジー効果を目指したオランウータン保護の事例の紹介など、SDGsにまつわる様々なことを教えていただきました。
2時間に渡る講義の中の最後40分間は生徒からの質問の時間となりましたが、次々と生徒から出る質問に対し、先生はひとつひとつ丁寧に答えてくださいました。
授業の最後は、「今回の授業で、環境やウィルスに対してこれまでぼんやりとしか持っていなかったイメージが、より具体化され明確なものになったと同時に、千種高校でこれからしっかりと学び、(コンゴ共和国等でフィールドワークを行う)湯本先生のように、世界を舞台に活躍できる人に自分もなりたい。」という代表生徒のお礼の言葉で締めくくられました。 国際課