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お知らせ

2023年06月23日お知らせ

「感染症と環境問題」について講義を受けました。

 本校が取り組んでいるWWL(ワールド・ワイド・ラーニング)事業では、大学や他の高校、企業と連携し、深い学びを実践しています。

 6月20日(火)には、国際教養科1年生80名が、「グローバル探究」の授業の中で、京都大学名誉教授の湯本貴和先生から「環境問題と感染症を考える」というテーマで講義を受けました。

 今私たちが暮らしている時代は、地球の歴史の観点からは「アントロポセン(人新世)」と呼ばれる新たな地質時代で、後世になって地質を発掘すると、プラスチックやコンクリートが大量に出てくる時代であるそうです。

 また、感染症が広がる過程について、「自然宿主」というキーワードをもとに説明して頂きました。病原体にとって都合がよいのは「長期間」かつ「広範囲」にウイルスが広がることであり、エボラ出血熱のような強い毒を持ったウイルスよりも、コロナウイルスのような、無症状もあるという弱毒性のウイルスの方が、ウイルスが生き延びることができるという利点があり、やがてコロナウイルスも弱毒化した状態で人間と共存する(自然宿主)、症状が軽い病気になるそうです。

 生徒たちが「グローバル探究」の中で学んでいるSDGsについてもお話頂き、「SDGsウォッシュ」(見せかけの環境主義)に気をつけなければならないことや、SDGsの目標同士のシナジー効果を目指したオランウータン保護の事例の紹介など、多くのことを教えていただきました。

 湯本先生は霊長類の研究がご専門ですが、先生によれば、「人間とサル」は遺伝子レベルでは1.3%しか違わないけれども、人間は「教え合い」、「分かち合い」、そして「助け合う」ことができるので、文化の蓄積ができ、高度な文明が生まれるとのことです。千種高校での学びが、「教え合い」、「分かち合い」、「助け合い」により、一層充実したものとなり、新たな創造の発祥となるよう、今日の学びを今後の探究学習に生かしていければと考えます。

                                 国際課

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